当院では、
(2026年1月から実施されている)
環境省が推進する犬猫のマイクロチップ情報登録制度の一層の普及促進を図るための地域重点モデル事業
に協力しています。
そして、
(この事業の一環である)
マイクロチップ無料装着キャンペーン
に参加しています。
なので、
2026年1月~3月までの期間限定ですが
当院ではマイクロチップを無料で装着できます
~期間については予定件数に達し次第終了なので前後するかもしれません~
~登録費用は別途必要です~
↑院内にポスターを貼っています。装着していただいたオーナー様にはフロストボトルをプレゼントしています。正直、ボトルをプレゼントする代わりに登録料をプレゼントしていただきたかったです。オーナー様への最大のプレゼントは登録料無料だと私は思います。装着は無料です。でも登録料は別途かかります。だと、「じゃあやめときます」ということもありうるので。
このようなこともあって
(マイクロチップ未装着の犬猫を飼育されているオーナー様には)
犬猫へのマイクロチップ装着を当院から提案する機会が増えています。
と同時に、
(装着する?しない?って話の前に)
そもそもマイクロチップって何?のようなことをオーナー様とお話しする機会が格段に増えています。
そんなこんなの中で、
マイクロチップ装着を積極的に提案するようになって
私なりに初めて見えてきたことや気付いたことがあります。
で、
今回は、そのようなことをどんどん書いていきたいと思います。
なお、
ここに書かれていることは高知県で一次診療を担っている獣医師のただの感想にすぎません。
①とにかく知られていない
「マイクロチップ装着・登録の意義やメリット・デメリットは○○です」
「キャンペーンがあって今当院では無料で装着できます」
などなど…
こんな話を私がした時に…
よくオーナー様から
「そもそもマイクロチップって何?」
と、まあまあの確率で言われます。
はっきり言って、
(装着・登録の意義やメリット・デメリットの話に行く前に)
マイクロチップそのものについて世間では広く周知されていません。
大袈裟な話ではなく、
マイクロチップ=得体のしれない何か
と思っているオーナー様が数多く存在する気がします。
②マイクロチップへの恐怖感
得体のしれない、よくわからない異物を体に埋め込むこと
こんなことは誰だって嫌だし怖いと思います。
「マイクロチップって重そうで猫がかわいそう」
「体重が増えるから装着しません」
「変な電波がでてそうでこわい」
「電磁波こわいよぉ」
「GPSで国から監視されそう」
「電池交換どうするの?」
「そもそもチップを埋め込むという言葉がこわい」
普段の診療で私が聞くオーナー様の声の一例です。
こんな印象では動物に装着させたいと思うわけないしマイクロチップが普及するわけありません。
マイクロチップって…
AppleのAirTagのような大きさで紛失防止タグみたいなもの
GPS発信機
と誤解されているオーナー様はまだまだいらっしゃいます。
マイクロチップとは、
・米粒くらいの大きさで、その重さは体重に比して無視できるほどのもの
・自ら電波を発信せず、位置追跡できないもの
ましてや、
・電磁波なんて発していないもの
(生体適合ガラス等でてきた小さな異物であることは間違いないですが)
・マイクロチップに対する生体反応はほとんどなく安全なもの
こんなものなんだということをオーナー様に理解していただく努力を業界総出でしていく必要を感じます。
↑マイクロチップの実物。かなり小さなものです。重さは無きに等しいです。
↑AppleのAirTagとの比較。大きさは全然違います。
③マイクロチップのデメリット
マイクロチップのメリットやいいところについては
マイクロチップ関連のリーフレットや公式冊子に多く書かれていますし
Google様やChatGPTのAI回答を読めばそこのところがよくわかります。
しかしながら、
マイクロチップのデメリットやわるい?ところについては
あまり多くは書かれていない(気がする…)ので
~AI回答でもサラリとしか書かれてない~
あえて、
マイクロチップのデメリットやわるい?ところ
はたまた、
巷で考えられているであろうマイクロチップのわるいイメージ
を思いつく限りドンドン書いていきます。
そして、
そのデメリットやわるいイメージに対する私なりの反論?を書いていきます。
~個人的見解も多分に含みます~
なお、
ただのポジショントークでしょ!
と捉えられても仕方がない側面もあるのですが、そうならないように気を付けます。
(1)装着費用がかかる
マイクロチップの装着には費用がかかります。
~装着費用は動物病院によってすべて違います~
さらに、
装着費用だけでなく情報登録にも費用(=手数料)がかかります。
~情報登録手数料はネット経由だと400円です~
物価高の時代なので、
「この費用がイヤだ、払いたくない」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→ここで少し聞いていただきたい!
高い安いの話はオーナー様それぞれで感じ方、考え方が違うので難しい話なのですが…
マイクロチップの装着と情報登録によって
〇〇さんが大切に飼育している動物という確固たる存在証明を公的に得られる!
ことを考えると決して高い費用ではないのではないかなと私は思います。
~装着と登録は原則一生に一回かかる費用と考えると余計に高い費用ではないのではないかなと思います~
費用に見合ったメリットがあることをご理解いただく努力を微力ながら私はしていきたいと思います。
費用が気になるオーナー様は
(地域限定、期間限定ですが)
マイクロチップ無料装着キャンペーンを利用するとその費用面のデメリットはほぼなくなります。
(2)情報登録がめんどうだ
マイクロチップは装着するだけでは意味がなくて必ず情報登録をする必要があります。
~マイクロチップを装着した後の情報登録はオーナー様の義務になります~
「この登録がいちいちめんどくさい」
「やり方がよくわからない」
「クレジットやpaypay利用してない」
「スマホもってないし、QRコードわからないし」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→反論できず…
高齢のオーナー様やスマホを持ってないorネットが苦手or現金主義のオーナー様には反論しようがありません。
その通りです。
そのようなオーナー様であると登録は面倒です。
ネット経由ではなく書類での登録だと手数料も高くなるし、時間がかかるし、手間も増えます。
→ちょっと反論してみる
今では、登録についてのわかりやすいリーフレットが作成されているのでそれは全然難しくないと思います。
↑装着したオーナー様にお渡ししているリーフレット。スマホが使えれば難しくはありません。装着証明書の写真が必要なので、写真を撮るまでは証明書を折ったりしないことをおすすめします。
マイクロチップを装着した時に必ず発行する装着証明書には登録サイトへのQRコードがあるので
それをスマホで読めばすぐに登録サイトに移動できます。
あとは、
案内に従っていけばかんたんに登録できます。
スマホに慣れている方であればめんどうなことはありません。
あくまで、
スマホに慣れていればなんですが…
(3)装着の時に痛い
直径1.4mm長さ8mmというチップを内包できる針で施術(皮下に挿入)
ってことは
ワクチンや治療時に使うより太い針になる
「こんな太い針を刺されて絶対痛そう」
「注射がトラウマになりそう」
「かわいそうすぎる」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→強くは反論できず…
痛いか?痛くないか?で言えば痛いのは間違いないと思うので強く反論はできません。
~実際、動物たちの声(感想)を聞ければよいのですが…~
ただ、
数百頭以上に施術をした私の経験を言うと
(無麻酔での施術だとしても)
施術時に痛がっている動物を見ることはほぼありませんでした。
~内心、痛いと思っているかもしれないことは否定できません~
施術は一瞬で終わります。
~私は瞬き一回ちょっとほどの時間で施術しています~
痛みを感じても、ほんの一瞬なのではないかと私は思っています。
~避妊去勢手術の時に施術すれば痛みの心配はなくなるかと思います~
そして、
決してトラウマレベルの痛さではないとも私は思っています。
(4)装着時に事故が起きうる
マイクロチップは一般的に肩甲骨の間の皮下組織の皮下に装着します。
なので、
装着部位の近くには脊椎(大切な神経が入っている所)が存在しています。
「装着時に動物が動いて太い針が脊椎を傷つけたらどうしよう」
「術者のミスで太い針が変な所に刺さって後遺症が残ったらどうしよう」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→完全には反論できず…
たしかに、
事故(≒有害事象)は起こりえるし、実際報告もされています。
なので、
そのような事故が起きうることを前提に次の2点で事故対策をしています。
ひとつ目:あまりに小さな動物には装着を強くおすすめしないor延期する
例えば、
・産まれて2ヵ月も経っていない動物の施術はできたらおおすめしないor延期する
~どうしても必要であるならば慎重に施術する~
・成犬であってもチワワやヨークシャーテリア、ティーカッププードルのような超小型犬であれば強くおすすめしない
ということです。
動物が小さければ小さいほど相対的に太い針の危険性は増すので
そういう動物であれば装着しない
っていうオーナー様の選択も正しいと思います。
~現状、飼い犬飼い猫のマイクロチップ装着は義務ではありません~
もちろん、
事故の確率は低いので
それでも装着するという選択も正しいかなと思います。
ふたつ目:施術者のスキルを磨く
施術者の装着技術レベルを担保することは装着事故を減らすうえで重要な要素だと思います。
~装着時の痛みを最小にするうえでも重要な要素だと思います~
そのため、
日々装着スキルを磨き、どうすれば事故や痛みを減らせるのかを考え実践するように私はしています。
~ちなみに、当院でマイクロチップ装着を施術しているのは原則獣医師である私だけです~
→反論とは違うかもしれないが…
事故が起きうるというデメリットを限りなく無くすように日本中のあらゆる動物病院で努力している。
ということは確かであることをオーナー様にお伝えいたします。
(5)装着時の出血
もう何度も書いていますが、
マイクロチップ装着時にはワクチン注射よりも太い針を使用します。
なので、
装着後に(挿入部位から)出血する確率はワクチン注射後に出血する確率よりも高くなります。
「針が刺さったところから出血したら嫌だなぁ」
「装着時に出血して、それが止まらなかったらどうしよう」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→一部、反論します
そんなことない!出血しません!とは言えません。
正直に書きますが、
マイクロチップ装着時に多少の出血をすることはあります。
~肌感覚で約3割の症例で多少の出血を認めます~
でも、
慌てずに対処することで何の問題もなく止血されます。
出血が止まらずに大変なことになった経験は私は一度もありません。
過度に心配する必要はないと私は思います。
なお、
出血が止まらないという重大なインシデントを予防するために
装着しようとするすべての動物に凝固系検査・プロトロンビン時間測定を必須とする
なんてことはやりすぎだと思うので私はしません。
(5)画像診断の妨げになる
マイクロチップの中には電子回路や電磁コイルなどが入っています。
~マイクロチップ内には磁石にくっつく金属が入っています~
なので、
マイクロチップはレントゲン写真に映り込みますし、MRI撮影の画像に悪影響を及ぼします。
「マイクロチップのせいでうまく画像診断ができなくなったらどうしよう」
「撮影の邪魔になるものは最初からいれないほうがいいんじゃないか?」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→反論できることはします
レントゲン撮影やその読影についてはマイクロチップが妨げになるということはほぼありません。
「マイクロチップのせいで見たいところが見られなかった」
「マイクロチップのせいで診断に迷った」
という経験を私はしたことがありません。
一方、
MRI撮影やその読影についてはマイクロチップが妨げになることがあるかもしれません。
とくに、
診断に必要とする場所の近くにマイクロチップが存在する場合はそれが妨げになってしまいます。
~マイクロチップ周辺の画像が歪んでしまうためにそこは読影困難になってしまいます~
場合によっては、マイクロチップを脱着してからMRI撮影ということが必要になります。
このように、
マイクロチップ装着のデメリット=MRI撮影・読影への悪影響
であることは間違いありません。
しかし、
それは限られたケースであり
そもそも、
生涯で犬や猫がMRI撮影をする確率がどれくらいなのか?
~当院で見ている限りは一度もMRIを撮影せずに生涯を終える動物が圧倒的多数です~
を考えると過度に不安視するデメリットではないのかなと思います。
(6)メリットを感じにくい
マイクロチップ装着・登録のけっこうデカいデメリットだと個人的に思っているのが
そのメリットを感じにくい
ということです。
装着したからといって目に見えて何かが変わるわけではありません。
~専用のリーダーがないと番号を読み取ることさえできません~
とにかく、
短期的に実感できる目先のメリットがありません。
例えば、
マイナンバーカードを普及させようとして国が実施したマイナポイントのようなものはありません。
なので、
「別にお金を払ってまで装着しなくてもいいんじゃないか」
「よくわからないし急ぐ必要はないよね…様子みよう」
というオーナー様がいても不思議ではありません。
→反論できないことは幸せなのかも…
マイクロチップの主なメリットは
・迷子時に身元確認できる
・大地震などの災害時に身元確認できる
・連れ去りや交通事故時に身元確認できる
ことになります。
これらのメリットは平和な日常においては実感することができません。
なので、
(マイクロチップの)メリットを感じない日常というのは平和である証拠であり、
それはそれですばらしい日々です。
ただ、
その平和な日常はいつ崩れるかもわかりません。
地震や自然災害、不慮の事故などなど
今の日本においては、いつ何があってもおかしくありません。
そして、
何かあった時にそのメリットを実感するはずです。
マイクロチップは重大な何かがあった時のお守り
と考えていただくとわかりやすいかもしりれません。
メリットを感じない日常を大切にしつつ、
もしもの時のためにマイクロチップの装着・登録を検討していただきたく思います。
④最後に
マイクロチップ装着を提案させていただいた時
特に、
猫のオーナー様に提案させていただいた時に
「うちの猫は外にでないから必要ありません」
「ずっと外に出さないからいらないんじゃないですか?」
という声を日常茶飯事でいただきます。
たしかに、
オーナー様のそのような考えもよくわかります。
大切に家の中だけで飼育している猫に(一瞬とはいえ)痛い思いをさせたくない
外に出さない猫にあえて人工物を体に埋め込む必要はない
というのは自然な考え方だし、その考え方を私は尊重しています。
ただ、
猫というのはどんな対策をしたとしても
ある日突然外に出て行ってしまうことがあります。
今までが嘘のように家出することもあります。
青天の霹靂で大地震が起きた時、離れ離れになることもあるかもしれません。
そして、
(そのようなことがあった後に)
どこかで保護されるかもしれません。
そんな時、
無数にいる猫の中からこの猫が私の大切な家族であることを客観的に証明できる手段がマイクロチップ
です。
ここまでに挙げたように
マイクロチップにはデメリットがあります。
~そもそもこの世にデメリットがないものはありません~
もしかしたら、
メリットに比べてデメリットの数が多いと感じられるかもしれません。
しかし、
そのメリットは唯一無二です。
言語を話せない動物に消えることのない存在証明を持たせるには現状マイクロチップしかありません。
この装着無料キャンペーンを通して高知県のオーナー様がマイクロチップに興味を持っていただければ幸いです。
マイクロチップ情報登録制度がより多くのオーナー様にご理解いただけるように当院では今後も尽力していきます。